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ホテル近鉄ユニバーサル・シティ
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“It's ShowTime!”
お客様が伝えたかったリニューアルコンセプトをすくいとる
大阪を代表する人気テーマパークのオフィシャルホテルとして「ホテル近鉄ユニバーサル・シティ」が開業したのは2001年。オープン以来初めて実施される館内全面リニューアルに際して、ユニバーサル・シティウォーク大阪に面したメインエントランスの改装を担当しました。
- 竣工年
- リニューアルオープン 2023年3月31日
- 所在地
- 大阪府
- 担当業務
- 企画・デザイン、設計、施工
取り組むべき課題
目立たないエントランスを
ワクワクするデザインに
「ホテル近鉄ユニバーサル・シティ」は、最寄り駅を降りて、パークに向かうユニバーサル・シティウォークに面したホテルなのですが、以前は素通りしてしまうほど控えめな印象でした。せっかくオフィシャルホテルに泊まるのだから、ワクワクする気持ちが抑えられないようなエントランスにすることが求められました。ただ、正式な発注があった2023年1月時点では、 メインエントランス以外のリニューアルはすべて先行して、デザインも決まっている状況で、その中で違和感がないものにしなければなりませんでした。また、ユニバーサル・シティウォークのイメージを崩さないデザインにもしなければならない。その二つを両立させる必要がありました。


実行した解決策
「ホテルはお客様が主人公」。
期待感溢れるショーの入り口に誘うために
クライアントから、「エントランスにコンセプトを付けてほしい」とオーダーがあり、メインエントランス以外がどういうリニューアルをするのかを知るため資料を取り寄せました。私はアイデアを考える時、歩いたり体を動かしたりするのですが、その日も自宅の部屋をうろうろしていました。当時、私がよく聞いていた音楽がふと流れてきて、歌詞の一節を口ずさんだ時、“これだ!”というコンセプトが浮かんだのです。「ホテルはお客様が主人公」。さらにメインエントランスというのはオフィシャルホテルに泊まる期待感溢れるショーの始まり。それを演出する空間だというイメージができた時、コンセプトが決まりました。それが“It's ShowTime!”。さらに、ホテルもユニバーサル・シティウォークが創造するエンターテインメントの一部を一緒につくるメンバーだというコンセプトから、“Be part of the entertainment”というタイトルを付けました。
そのイメージを図面に落としこんで、クライアントに提案したところ、たいへん好評をいただきました。クライアントとのやりとりで修正があったのは、ほんの一部。思い切って表現したデザインをややおとなしいものにしてほしいという依頼だけでした。
ただ、喜びも束の間、グランドオープンが既に決まっているため、工事期間は実質20日ほど。リニューアルオープン日を告知しており、引き渡しの遅れは絶対に許されません。営業は厳しいスケジュール調整に取り組んでくれ、制作は的確な協力社の手配と緻密な段取りを開始。パークはオープンしているため、工事はお客さまが帰った夜間作業となったのですが、制作がいつも立ち会いをしてくれたので、工期通りに仕上げることができました。
すごい集中力と抜群のチームワークで20日間を駆け抜けました。
お客様の声

通りすがりの人が
思わず写真を撮りたくなるエントランスになった
当社のデザイン力を認めていただいたのでしょう、追加のお仕事も依頼していただきました。エントランスマットのデザイン制作、またホテルスタッフや工事関係者にリニューアル記念品としてホテルがつくったポケットチーフのデザインに、当初柱巻きのデザインとして提案させていただいたものを採用していただきました。さらに“It's ShowTime!”も気に入っていただけたようで、レストランのコンセプトに応用いただき“It's ChowTime!”(食事の時間ですよ)となりました。打ち合わせをし、資料を読み込むことで、クライアントが言葉にできない深意を探り当て、コンセプトとして言語化をすることも私たちの大切な仕事だと再認識しました。
リニューアルオープンから2週間後、ホテルを訪れました。ユニバーサル・シティウォークを歩く人を見ていると、ホテルの前を通りかかった方が、頻繁に「ワーッ!」と喜びの声をあげてメインエントランスに向かって駆けて来て、キャラクターと一緒に写真を撮って行かれるんですね。デザインは成功だったのだと改めて思いました。これをきっかけに今後宿泊をしていただけたら嬉しいですね。